なぜ企業はブログを運営するのか?
2005年02月15日 (火) 23:33
ブログを使っている側にとってはあまり関係のないことですが、個人的な興味でブログを運営している各企業がどういうことを目的としてやっているかを考察してみました。
(私の個人的なブレインストーミングか備忘録のようなものです。)
現在、多くのブログ運営会社が無料でブログサービスを提供しています。
ブログというのは運営が大変でコストがかかるものであるにもかかわらず、それ自体で発生する収益は皆無か、あっても微々たるものです。
しかし、運営しているのが企業であるからには、事業というものはすべからく企業の収益に直接的、間接的に貢献するものでなければなりません。さもなければ、事業として停止に追い込まれるか、企業の存在自体がなくなることになります。
ブログもその例外ではなく、運営している企業は必ず何かしらの形で収益を得るという意図があるはずです。
それは一体何なのか?
このようなことを考察しています。
■ ライブドア (ライブドアブログ)
目的:ライブドアポータルへのユーザーの囲い込み。共通IDの普及。優良コンテンツを書籍化。
⇒PROという有料サービスもあるが、収益への貢献は微々たるもの。ライブドアポータルとブログのトップを統合したように、ブログの生み出す豊富なトラフィックを利用し、ポータルサイトとして価値を高めようとする戦略。Yahoo!同様、各サービス共通で使える共通IDを推進しており、ブログにはそれの尖兵としての役割もある。最近になって幻冬舎と共同出資して出版会社を設立した。
■ ドリコム (ドリコムブログ)
目的:ブログの開発・運営ノウハウをもとに、企業向けにマーケティングツールとしてブログを売り込み。
⇒すでに各種企業向けブログソリューションを販売しているように、ここはブログの運営目的がはっきりしている。ドリコムブログはブログとしてはイマイチだが、運営者側としては十分に利益の源泉としうる状況になっている。
■ 楽天 (楽天広場)
目的:ショッピングへの顧客誘導。顧客の囲い込み。
⇒楽天アフィリエイトにより、広場ユーザーが積極的に楽天市場のほうにトラフィックを流し込むモデルがすでに完成している。もっとも有効にブログの活用に成功している例。楽天広場のブログとして価値はともかく、ビジネスモデルとして確立している。
■ FC2 (FC2ブログ)
目的:ブログユーザーを自社の他の有料サービスへ流し込む。
⇒FC2のサービスは多くが無料のもので、どれだけユーザーが有料サービスを使うようになるかは疑問。FC2の有料サービスといえばレンタルサーバやドメイン取得だが、ブログユーザーがそれらのサービスを利用するようになるとはあまり考えられない。何かほかに収益源があるのかも。
■ Seesaa (Seesaaブログ)
目的:自社ショッピングモールへのアクセス誘導。広告媒体として活用。ブログの開発・運営ノウハウをもとに、企業向けにマーケティングツールとしてブログを売り込み。
⇒Seesaaは一応ショッピングモールを持っている(存在感はないに等しいが)。ブログに自動アフィリエイトリンク機能があるのはショッピングへの誘導のため(他社のアフィリエイトも入っているが)。テキスト型広告のblogclickも導入している。一方、法人向けのASP型ブログパッケージも持っている。今後はむしろこちらが本命か?
■ エキサイト (エキサイトブログ)
目的:エキサイトへの顧客の囲い込み。
⇒基本的にはエキサイトへのユーザーの囲い込みが目的と思われる。ブログに広告もほとんど載っていないし、収益源としてはちょっと弱いような気が。ユーザーにとっては快適でよろしいけど。
■ Yahoo! (Yahoo!ブログ)
目的:ユーザーの囲い込み。
⇒Yahoo!はブログにはあまり熱心ではなく、「これからブログがネットの主要メディアになるとまずいからとりあえずつばだけでも付けとくか」というスタンスのような感じ。保険でブログに参入したような雰囲気がある。あえて目的を挙げるなら、Yahoo!IDユーザーの囲い込みか。
■ GMO (ヤプログ)
・目的:広告掲載。
・GMOは法人向けのブログソリューションは持っているが、これはライトアップの技術を利用したもので、ヤプログ由来のものではない。そうなるとヤプログ運営の目的がよくわからなくなる。顧客を囲い込むとしても、ヤプログのユーザーとGMOのサービスのユーザーはあまりに対象がかけ離れている。
■ はてな (はてなダイアリー)
目的:有料オプションを利用してもらうことによる収益化。はてなポイントユーザーへの転化。
⇒全般的に収益力が弱いような気が。他に収益源がありそう。
■ サイバーエージェント (アメーバブログ)
目的:広告媒体として活用(blogclick)。優良コンテンツを書籍化(『鬼嫁日記』)。
⇒自前でメディアを抱えるCAは、ブログの豊富なトラフィックに着目し、広告を掲載するための媒体として活用しようと考えていると思われる。優良ブログについては、アメーバブックスでの書籍化に熱心。数十万部売れる書籍が2、3生まれれば確かにペイするだろう。
■ nifty (ココログ)
目的:ブログ自体での収益化。@niftyへの顧客の固定化。優良コンテンツを書籍化。
⇒ブログ業界では数少ない(ほぼ)完全有料のブログ。会員数が不明で、上位プランを使っているユーザー数もわからないので事業としてペイしているかは不明。最近ブログの書籍化にも乗り出している。
■ paperboy&co. (JUGEM)
目的:ブログの開発・運営ノウハウをもとに、企業向けにマーケティングツールとしてブログを売り込み。
⇒ロリポの方で実質有料のロリポブログが本格稼動したため、JUGEMの存在価値は大きく低下。JUGEMのユーザーが増えてもp&cにはまったくメリットがないどころか、サービスとしてカニバっている。JUGEMはブログサービスとして緩慢に終焉に向かう?
全体的に見ると、
〓 ブログユーザーの自社サービスへの囲い込み
〓 ブログの書籍化
〓 法人向けブログソリューションへの展開
という大きく3つの流れがあるように見受けられます。
〓 ブログユーザーの自社サービスへの囲い込み
ブログのユーザーが思惑通りうまく自社の他のサービスも使ってくれるようになるかはなんとも微妙なところです。ライブドアが一歩先行している感じですが、ライブドアのブログ以外のサービスの存在感自体が極めて低いので、成功事例とはまだいえません。
〓 ブログの書籍化
これは一発当たればでかそうですが、安定して書籍を出していくには各社ともまだまだブログのコンテンツが不足している感じです。書籍化できるほど面白いブログは本当にごく少数と思われ、今ある主要なブログを書籍化してしまうとタネが尽きてしまうと思います。一過性の流れで終わってしまう可能性も高そうです。
〓 法人向けブログソリューションへの展開
これは比較的堅実な手法に思えますが、これも課題はたくさんあります。まず、営業対象の企業側にブログの有用性についての認識がまだほとんどないこと。ブログを企業向けのツールとして活用しようと考えている企業なんて、先進的なごく一部の企業に限られると思います。
また、これらのサービスの単価の低さも問題です。ブログの特徴はとにかくサイト構築が簡単なことですが、これはすなわちサービスの販売価格が高く設定できないということでもあります。
営業対象が限られる上に、単価も低い。これでは儲かりません。
ネットのサービスによる収益性というのは概ねサイトのトラフィックに比例する傾向があります。これをブログに当てはめると、当然ブログの収益性というのは非常に大きいものがあると想定できるわけですが、トラフィックを収益に結びつけるに至るまでは上記のように各企業とも超えるべき大きな壁が存在しています。
日本におけるブログ市場というのは、現在はまだ黎明期です。市場の黎明期というのは雨後の筍のように新規参入がひっきりなしにおこる時期です。大手企業からベンチャー企業まで、様々な企業が参入してきます。そこから市場が拡大するとともに淘汰が始まり、競争力を有する少数の企業だけが生き残ります。その中でも特に強いリーダーシップを持つ企業だけが大きな利益を専有することができるようになります。
このことは、ポータルサイトやオンラインショッピングモールなどの例を見ればよくわかると思います。
ブログ業界でも同じことがおきるはずで、今年から来年にかけてブログ市場が大きく拡大するとともに、ブログサービスの淘汰がかなり進むはずです。
ビジネスモデルをいち早く確立し、同時にユーザーからの支持を集めるブログが大きな利益を得られることになると思います。
【人気ブログランキング】 久々に頭を使って疲れた……
目的:ライブドアポータルへのユーザーの囲い込み。共通IDの普及。優良コンテンツを書籍化。
⇒PROという有料サービスもあるが、収益への貢献は微々たるもの。ライブドアポータルとブログのトップを統合したように、ブログの生み出す豊富なトラフィックを利用し、ポータルサイトとして価値を高めようとする戦略。Yahoo!同様、各サービス共通で使える共通IDを推進しており、ブログにはそれの尖兵としての役割もある。最近になって幻冬舎と共同出資して出版会社を設立した。
■ ドリコム (ドリコムブログ)
目的:ブログの開発・運営ノウハウをもとに、企業向けにマーケティングツールとしてブログを売り込み。
⇒すでに各種企業向けブログソリューションを販売しているように、ここはブログの運営目的がはっきりしている。ドリコムブログはブログとしてはイマイチだが、運営者側としては十分に利益の源泉としうる状況になっている。
■ 楽天 (楽天広場)
目的:ショッピングへの顧客誘導。顧客の囲い込み。
⇒楽天アフィリエイトにより、広場ユーザーが積極的に楽天市場のほうにトラフィックを流し込むモデルがすでに完成している。もっとも有効にブログの活用に成功している例。楽天広場のブログとして価値はともかく、ビジネスモデルとして確立している。
■ FC2 (FC2ブログ)
目的:ブログユーザーを自社の他の有料サービスへ流し込む。
⇒FC2のサービスは多くが無料のもので、どれだけユーザーが有料サービスを使うようになるかは疑問。FC2の有料サービスといえばレンタルサーバやドメイン取得だが、ブログユーザーがそれらのサービスを利用するようになるとはあまり考えられない。何かほかに収益源があるのかも。
■ Seesaa (Seesaaブログ)
目的:自社ショッピングモールへのアクセス誘導。広告媒体として活用。ブログの開発・運営ノウハウをもとに、企業向けにマーケティングツールとしてブログを売り込み。
⇒Seesaaは一応ショッピングモールを持っている(存在感はないに等しいが)。ブログに自動アフィリエイトリンク機能があるのはショッピングへの誘導のため(他社のアフィリエイトも入っているが)。テキスト型広告のblogclickも導入している。一方、法人向けのASP型ブログパッケージも持っている。今後はむしろこちらが本命か?
■ エキサイト (エキサイトブログ)
目的:エキサイトへの顧客の囲い込み。
⇒基本的にはエキサイトへのユーザーの囲い込みが目的と思われる。ブログに広告もほとんど載っていないし、収益源としてはちょっと弱いような気が。ユーザーにとっては快適でよろしいけど。
■ Yahoo! (Yahoo!ブログ)
目的:ユーザーの囲い込み。
⇒Yahoo!はブログにはあまり熱心ではなく、「これからブログがネットの主要メディアになるとまずいからとりあえずつばだけでも付けとくか」というスタンスのような感じ。保険でブログに参入したような雰囲気がある。あえて目的を挙げるなら、Yahoo!IDユーザーの囲い込みか。
■ GMO (ヤプログ)
・目的:広告掲載。
・GMOは法人向けのブログソリューションは持っているが、これはライトアップの技術を利用したもので、ヤプログ由来のものではない。そうなるとヤプログ運営の目的がよくわからなくなる。顧客を囲い込むとしても、ヤプログのユーザーとGMOのサービスのユーザーはあまりに対象がかけ離れている。
■ はてな (はてなダイアリー)
目的:有料オプションを利用してもらうことによる収益化。はてなポイントユーザーへの転化。
⇒全般的に収益力が弱いような気が。他に収益源がありそう。
■ サイバーエージェント (アメーバブログ)
目的:広告媒体として活用(blogclick)。優良コンテンツを書籍化(『鬼嫁日記』)。
⇒自前でメディアを抱えるCAは、ブログの豊富なトラフィックに着目し、広告を掲載するための媒体として活用しようと考えていると思われる。優良ブログについては、アメーバブックスでの書籍化に熱心。数十万部売れる書籍が2、3生まれれば確かにペイするだろう。
■ nifty (ココログ)
目的:ブログ自体での収益化。@niftyへの顧客の固定化。優良コンテンツを書籍化。
⇒ブログ業界では数少ない(ほぼ)完全有料のブログ。会員数が不明で、上位プランを使っているユーザー数もわからないので事業としてペイしているかは不明。最近ブログの書籍化にも乗り出している。
■ paperboy&co. (JUGEM)
目的:ブログの開発・運営ノウハウをもとに、企業向けにマーケティングツールとしてブログを売り込み。
⇒ロリポの方で実質有料のロリポブログが本格稼動したため、JUGEMの存在価値は大きく低下。JUGEMのユーザーが増えてもp&cにはまったくメリットがないどころか、サービスとしてカニバっている。JUGEMはブログサービスとして緩慢に終焉に向かう?
全体的に見ると、
〓 ブログユーザーの自社サービスへの囲い込み
〓 ブログの書籍化
〓 法人向けブログソリューションへの展開
という大きく3つの流れがあるように見受けられます。
〓 ブログユーザーの自社サービスへの囲い込み
ブログのユーザーが思惑通りうまく自社の他のサービスも使ってくれるようになるかはなんとも微妙なところです。ライブドアが一歩先行している感じですが、ライブドアのブログ以外のサービスの存在感自体が極めて低いので、成功事例とはまだいえません。
〓 ブログの書籍化
これは一発当たればでかそうですが、安定して書籍を出していくには各社ともまだまだブログのコンテンツが不足している感じです。書籍化できるほど面白いブログは本当にごく少数と思われ、今ある主要なブログを書籍化してしまうとタネが尽きてしまうと思います。一過性の流れで終わってしまう可能性も高そうです。
〓 法人向けブログソリューションへの展開
これは比較的堅実な手法に思えますが、これも課題はたくさんあります。まず、営業対象の企業側にブログの有用性についての認識がまだほとんどないこと。ブログを企業向けのツールとして活用しようと考えている企業なんて、先進的なごく一部の企業に限られると思います。
また、これらのサービスの単価の低さも問題です。ブログの特徴はとにかくサイト構築が簡単なことですが、これはすなわちサービスの販売価格が高く設定できないということでもあります。
営業対象が限られる上に、単価も低い。これでは儲かりません。
ネットのサービスによる収益性というのは概ねサイトのトラフィックに比例する傾向があります。これをブログに当てはめると、当然ブログの収益性というのは非常に大きいものがあると想定できるわけですが、トラフィックを収益に結びつけるに至るまでは上記のように各企業とも超えるべき大きな壁が存在しています。
日本におけるブログ市場というのは、現在はまだ黎明期です。市場の黎明期というのは雨後の筍のように新規参入がひっきりなしにおこる時期です。大手企業からベンチャー企業まで、様々な企業が参入してきます。そこから市場が拡大するとともに淘汰が始まり、競争力を有する少数の企業だけが生き残ります。その中でも特に強いリーダーシップを持つ企業だけが大きな利益を専有することができるようになります。
このことは、ポータルサイトやオンラインショッピングモールなどの例を見ればよくわかると思います。
ブログ業界でも同じことがおきるはずで、今年から来年にかけてブログ市場が大きく拡大するとともに、ブログサービスの淘汰がかなり進むはずです。
ビジネスモデルをいち早く確立し、同時にユーザーからの支持を集めるブログが大きな利益を得られることになると思います。
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